構造医学大要・構医業務規範
日本構造医学研究所
構造医学研究財団
構医教育機構
構造医学は「構造医学大要」にて表明している通り、統合的な視野から捉え本質を見極めることで、医療つまり人に資することを目的としたものです。
周知の通り、医療行為は治癒性と裏腹に侵襲性を備えたものであり、不正確な知識、未熟な技量による過誤の問題をはらむことから、医療者に対しては制度・資格要件はじめ厳しい社会的視線が注がれています。
日本構造医学研究所・附属臨床施設では、設立当初から医の本質と社会的責任への厳しい内省から規範を定めており、これを基に「構医業務規範」を公布しています。
「構造医学」や「構医」の呼称は、知的財産権に基づき本来誰でもが使用することはできないのですが、もとより医療のために切り拓かれた学問であって80年代には成書等で誰でも自習可能であり、正規講座のほか市民講座等、様々なチャンネルで触れた方が膨大であることなどから、「構造医学を学んだ」「構造医学の手技を行う」といった表現をやむを得ないものとして、医療の理念に沿う場合に限り、一律には制限してきませんでした。
また構造医学の基幹の一つである解剖学の医療への貢献に表敬し、一部の大学法人に容認した事例があります。
しかし構造医学履修者には立ち止まって考えて頂きたいのですが、元来これら呼称の知的財産権を敢えて確立させた歴史的背景は、侵襲性や責任範囲に対する厳しい自覚および、時に医療の目的に全く矛盾する事態を招きうることへの備えが必要だからです。
制度・法規は厳格化の一途にあり、医療者と言え種々の法知識が必要な時代ですが、構医業務規範が前向きに定めた倫理は、意味することをよく理解されれば、現代においても逸脱しないための道標として未だ生きています。
幸い多くの履修者の皆さまは、歩行の大切さを市民に分かっていただくための理論的裏付けとして、あるいは氷冷が苦手な患者への説明として、医療の目的に沿う文脈で構造医学の名を使っておられます。
こうした歴年の着実な積み重ねによって、医療者と患者の信頼関係が高まり、もって構造医学はその評判と評価を高めてまいりました。
しかし一部の構造医学履修者の中にはこうした主旨に反し、自己の習熟度や履修状況を誇張することで患者を誘引したり、勉強会等にて安全を欠く指導を行う事例が報告されています。
理解度を誇大に表現すること、単に宣伝の目的で「構造医学」「構医」の呼称を使用することなどは、構造医学の規範に反すると共に、医療広告ガイドラインや景品表示法等各種法令にも抵触する事例があり、行政の協調要請を踏まえこれを禁止します。
今後とも本来の主旨と異なる「構造医学」「構医」の使用について厳正に対処して参りますので、適正な対応をお願い申し上げます。