名古屋で明かされる構造医学の本懐

医の安全を説くことは、平和演説に似ている。

構造医学セミナーには珍しいことだが、大都市講演は開催都市ごとにテーマを定めている。
東京は「死生」。名古屋は「安全」。大阪は「経営」。
テーマが決定されたとき、「安全」が最も伝わらないとの予想があった。医療において「安全」を真摯に議論する難しさは、街頭で「平和」を呼び掛けることに等しいからだ。「平和は大事」という必死の演説の横を、誰もが少し迷惑そうに、肩をすくめて通り過ぎてしまう。これは、平和とされる国で見られる現象だ。テロや戦禍にさらされ誰もが当事者となる国々では様相が変わってくる。デモの人数も桁違いだ。

イラク攻撃反対のワシントンD.C.集会 2003 イラク攻撃反対のワシントンD.C.集会

「医療の安全」において、当事者は誰だろうか?

ひと頃の「インフォームド・コンセント」「医療過誤訴訟」により「医療の安全」というテーマは社会的関心を集めたが、十分に議論が深まらないうちに、時の話題は医療費高騰と超高齢医療に移ってしまった。結局、「医療は安全なもの」と当然視されたまま、その社会通念に合わせるべく、医療者側は対応を迫られている。民事・刑事・行政的罰則。メディアによる苛烈な社会制裁。どれだけの医療事業者が、内部監査システムに力を割けるだろう。エビデンスのレールから外れることは、社会の容認する「安全」の領土から身を投げるに等しい。しかし忘れてはならないのは、完全な医療など存在しない事実だ。

平和が得難い国では、誰もが戦禍の当事者となり、無関心ではいられない。
我が国で、医療の安全は当然視されていないだろうか。

吉田先生の去年からの動きは目まぐるしかった。ハーバード、MITはじめ世界中の著明な研究機関を遊学した後、デュアルサイクローター、インデューサーチゴート、トランスポーターチゴート、ベリポック、有感微振導子、アスリートメンブレン・・・と怒涛のように診療支援製品を上市し、正規講座では「構造医学の原理」を著して以来三十余年あえて語らなかった「構造医学の原理 第一章」を初めて取り上げた。そして今夏、初となる名古屋・大阪を含む大都市講演を予定している。
そんな精力的な活動の背景には、心情の変化があった。

吉田先生が東京で集中セミナーを行ったのは10年前。当時リーマンショックの激震と、自身の体調不良が重なり、「すべきこと」と「できること」を仕分けし、「安全」を極めることに集中した。脊柱非観血外科処置台、ハイクオリティハーネス、才差球状鏡面転子、電函式リダクター、連列露盤型リダクターと、難しい設計要素を含む耐久製品を、着実に送り出してきた。ときに道具と人は対立する関係のように誤解されるが、道具の目的は本来、身体機能を拡張することだ。誰が、幾たび同じことをしても、同じ効果を発揮するには、厳密な設計が最高の土台となることを、吉田先生はのべ2万人近く教える中で痛感していた。そして、道具は後世に残る。医療制度改革は予告されているから、その激震を乗り越える道具立てを急いだ。
人事を尽くし天命に託すつもりで淡々と安全を追求した10年。

脊柱非観血外科処置台の各部には再現の難しい重要な機構が埋め込まれている。例えば脊柱の弾性評価を行う際は、処置台の弾性(正確には粘弾性)を考慮すること。
形状のみ模造した市販品には事故への繊細な注意を要する。

そんな中、闘病と極限の節制によって、劇的な健康回復がもたらされた。大都市講演の開催が決定された。

名古屋講演で吉田先生が話すのは、一度は最後の仕事と覚悟した「医療の安全」である。
道具立てを急ぐ先に見据えていた、伝えることをあきらめていた本懐。
力強さを増し、エネルギーみなぎる吉田先生による、一日限りの名古屋講演。
会場には、動きやすい服で訪れて頂きたい。
今夏、どんな話が明かされるか。

地球の重みを頸椎で支えるアトラス。不定愁訴を背負う苦悩が表現されている。神話の時代から未解決だったアトラス‐アキシス問題への幾何学的アプローチがデュアルサイクローター開発のブレイクスルーとなった。

東京で【死生】を、名古屋で【安全】を、大阪で【経営】を伝える。

※ 3会場すべて満席となりました

増大する医療費への国家的な見直しが次々と進む一方で、資格者増加に比例して医療施設数はコンビニエンスストアを超え、医療業界の競争は日増しに厳しくなっています。
経済が、制度が、社会の目が厳しく、医療者を志した最初のきっかけ「人を助けたい」との理念を保つことすら難しくなってきていますが、その初心は間違いだったのでしょうか?
もちろん手技を高め経営テクニックを学ぶことも重要です。しかし、医の最も尊い部分、すなわち「利他性」に対する洞察をもった医療者こそが、社会から長く求められます。だからこそこの職業は、農業、商業、宗教などと同じく、形を変えつつも人類の長い歴史を生き残りました。
それは医療者を志した最初の思いと何ら矛盾するものではないはずです。

患者だけでない、診療者もまた、心と体を毀損せず幸せになる道はないでしょうか。
近々医療業界への国主導による制度改革が控えており、医療者と言え正確な予見が必要です。逆に、大きな変動の前に正しく準備できれば、次の時代の健康を支える一人になり、あるいは長年積み上げたものを次に残せると言えるかもしれません。

構造医学では生物物理や臨床解剖を踏まえた違う目線を示してきましたが、それらは何も医学という学問の発展の為ではなく、ただ人の役に立てる人間を目指したものであり、その理念に沿って勉強会が作られ、臨床報告を行うざっくばらんな学会が組織され、地道な活動を行ってきたにすぎません。それが社会の中で役割を果たせたから大半の診療者が生き残っています。

今回、「安全」と「経営」を切り口に少数での講演を行うのは、使い古された「安全」と「経営」の意味が大きな転換点を迎えているからです。教室では心と体と頭を使って、これから起こる世の激動を事前に体験していただきます。細切れの技術的知識を伝える場ではなく、医療者が真に人の為となり、自分の為となることをとおして、10年後を生き抜く道を考える場です。
「死生」を扱う東京会場だけでなく、名古屋会場にて構医最先端医療を交えて語る「安全」、大阪会場で伝える「経営」という命題もまた、根底に同じ川が流れています。講演に来られる方も、参加が難しい方も、是非「安全」、そして深い意味での「経営」を考えていただければ幸いです。

講師紹介

吉田 勧持 (理学博士・医学博士)

元物理学者。専門はプラズマ・界面物理・生物物理学・臨床解剖学。主に物理・工学・医学を学際領域とした構造医学を創設し、40年近く臨床を続ける傍ら数々の研究を行う。日本構造医学研究所所長。1100名を超える学会員を擁する日本構造医学会理事長を務める。

名古屋会場

名古屋 名古屋

構造医学の本懐 末永く医療人であるために

不易と進化

きっと人生の岐路がそこにはある

ここでいう安全とは、安全という概念を通して見えてくる診療上の世界観であり、
各実態を見据えて施行される処方の在り方をいう

構造医学が創始された頃、人体の精微な分野に触れる手段は手技しかなく、患者の安全のために医療者自らの体を犠牲にしなければならない場面がありました。また、手技はその性質上、安全に伝承できる範囲が限られるという制約もありました。
それから40年、構造医学は患者の安全は大前提として、今では臨床者にとっても安全かつ持続可能な医療手段に進化し、生涯を通して医療人であり続けることも出来るようになりました。
名古屋会場では構医先端医療を公開する予定です。構造医学の窓と心の扉を開き、より多くの皆さまにその本懐をお伝えいたします。

長年の診療により侵襲された吉田勧持先生の手

頸椎は非常に慎重さを要する部位であり、加療が避けられないケースでは
より脆弱な自身の手指のラテラルバンドを安全弁として処置を行ってきた。
(写真は反復負荷により変形した吉田講師の手指)

日程 8/18(日)
時間 11:00 ~ 16:00(受付:10:30)
会場 国際デザインセンター 6F セミナールーム3
住所 〒460-0008
愛知県名古屋市中区栄3-18-1 ナディアパーク・デザインセンタービル
受講費 75,600円(税込)
学生特待:59,400円(税込)

東京会場

死生 死生

毉の原点 死生要訣を量子論と構造医学から紐解く 死にゆく君へ、生まれ出づる君へ

第二回 傳授の間

医療者本人が病を得たとき、それまで数多の患者を見送った経験を有するが故に一層の苦痛と焦燥に囚われ、平静を失い、それが更なる不調を惹起することは少なくありません。
東京会場では、医療者の皆さまがいずれ向き合う重病や死に対して臨床者が備えるべき死生観を提示します。
そして向後、各過程にある患者と接する局面において、皆さまの医に関わる膨大な知恵をどのように活かすか、その新しい接し方を説示します。

東京会場は概ね45歳以上の医療者の方が対象です。 健康にご不安がある方や介助の必要な方は、配偶者・配偶子の方を伴ったご参加も可能です。その場合の参加費に関しては財団にお問い合わせください。
日程 7/14(日)
時間 11:00 ~ 16:00(受付:10:30)
会場 御茶ノ水トライエッジカンファレンス 11F
住所 〒101-0062
東京都千代田区神田駿河台4-2-5 御茶ノ水NKビル
受講費 108,000円(税込)

大阪会場

経営 経営

ダウンサイジングで実を得る生存戦略

ワークショップ

少子高齢化が進む一方で医療機関の数が医科・歯科・柔整・鍼灸を含めてコンビニエンスストアの4倍以上となった現代日本において、大きな事業規模は必要でしょうか。
一つの事実として、新規事業所が乱立する一方で数多の事業所が廃業しており、持続可能な経営のためには、時代性・地域性を踏まえた無理のない事業規模・診療手法・形態を考えなおす時が来ているように感じられます。
大阪会場では、構造医学を活かして身の丈に合った診療の在り方を見出すための一助となるような体験学習も提供します。

日程 8/25(日)
時間 11:00 ~ 16:00(受付:10:30)
会場 梅田スカイビル タワーウエスト22F A-1会議室
住所 〒531-6023
大阪府大阪市北区大淀中1-1-87
受講費 64,800円(税込)

お申し込み

お申し込みの流れ
  • STEP.01
    お申し込み

    下記の申し込みフォームにてお申し込みください。
    顔写真は当日の本人確認にのみ使用いたします。学生特待で受講される方は併せて学生証の写真も添付してください。
    また、顔写真をフォームに添付せず郵送する場合は、自動送信メールの案内に従ってご郵送ください。

  • STEP.02
    お支払い

    お申し込みいただいた方に、参加費をお振込みいただく口座番号を記載したメールをお送りいたします。会場ごとに金額が異なりますので、お間違いのないようにご入金ください。
    開催日間近にお申し込みの場合は手続きの流れが異なる場合がございます。その際は事務局よりご連絡させていただくことがございます。

  • STEP.03
    当日の受付

    各会場にてコンパクトな臨床実技を行います。動きやすい服装でお越しください。昼食休憩はございませんので事前にお召し上がりになられてご参加いただくことをおすすめいたします。
    会場内の録音や撮影は禁止いたしております。

各会場、満席となったため募集を終了いたしました。ありがとうございました。

定期的に学びたい方へ

この度の特別講演のほかに、定期的な学びの場として構造医学正規セミナー(熊本市)と、日本構造医学会学術会議(大都市圏)を開催しています。

構造医学正規セミナー
地球環境問題医療者会議
構造医学研究財団では熊本市にて、吉田勧持先生ならびに認定講師による正規セミナー「地球環境問題医療者会議」を開催しています。
「本質編」では構造医学の原理をより深く理解していただけるよう、現代の医療問題を加味した講座と実習を行っています。
「基幹技能編」は一定の単位数を所持する方を対象とした試験の合格者のみが受講できる講座です。こちらでは症例や演題に対しより深く掘り下げ、基幹技能を身に着けていただくための講座及び実習を行います。
例年では、各講座は1月、2月からそれぞれ隔月 全4回の開催です。通年受講の他に、体験受講やスポット受講、学生特待をご準備しています。中途受講もできますので、受講をお考えの方はお問い合わせください。
第24回 日本構造医学会
東京学術会議
日本構造医学会では、構造医学に基づいた臨床報告や研究発表を目的とした正規学術会議を1年に1度、大都市圏にて開催しています。
昨年度は、PVL(脳室周囲白質軟化症)の女児に対する関節整復の症例や、発達障害を持つ患者に対する歯科臨床報告、原因不明の思春期型側弯症の女児に対するリダクター処置についての報告などがありました。
今年度は10月13日に東京 学士会館にて開催いたします。医師・歯科医師・柔道整復師といった様々な分野で活躍する会員からの発表や事態を踏まえた現場からの提言は、医学的士気を高める場となることでしょう。
昨年度の演題概要はこちらよりご覧いただくことが可能です。また日本構造医学会やその研究知見は、一般財団法人 構医研究機構よりご確認いただけます。