構造医学から学びえたことはたくさんありますが、臨床家として診療の根幹を為したのは、特に部分ではなく人全体、個体の維持と存続のための原理原則が分かったことです。次に、変化する患者さんへの最善の対処の原則が分かってきたということが挙げられます。
三つめは体の傾向を読み取って、傷害の予測と予防的対処が出来るようになったことです。構造医学を体系化する学問の中で物理の法則というものがありましたが、あれは生きものであろうが物体であろうが共通して働く力を指しています。これを体に適応して、体の傾向性を法則に照らし合わせて診療するということは、現状の他にこの先どうなるのかという予測をすることが出来るんですね。