お知らせ
構造医学研究財団からのお知らせをご案内いたします。
令和2年2月22~23日(土・日)開催の、地球環境問題医療者会議 基幹技能編の初講は、おかげをもちまして無事に終了いたしました。
昨年末から流行している新型コロナウイルスの影響を懸念しておりましたが、皆さまの元気な姿を拝見でき、職員一同安堵しております。
また、今月から会場出入り口にサナジェットを設置しました。カテキン噴霧による免疫対策や除菌等を行っておりますので、気になられた方は通過時に衣服に当ててみられてください。
冒頭の吉田先生の講義では新型コロナウイルスと肺炎について取り上げていただきました。
厚生労働省の見解ではコロナウイルスの感染力はインフルエンザと同程度とのことですが、高齢者や基礎疾患のある人は重症化するリスクが高いと発表されています。
これから先はアウトブレイクよりも、感染を心配した多くの人々が医療機関に殺到することによる医療提供体制の混乱と崩壊を恐れるべきであると仰っていました。
また吉田先生には医療者の在り方について、昨年度に引き続き【毉】の文字の成り立ちから解説していただきました。
【医】とは矢を閉じ込めている箱の一角が抜けて、矢の方向を定めているということ、【殳】とは手で立てるもの(差し棒、タクト)、【巫】とは巫女が声を上げて神を呼ぶ招魂のことで巫祝の意と言われています。
古来より医療と祈り・宗教は密接に関係しており、現代日本でもホスピスや緩和ケアなどの終末期医療の現場では、医師だけでなく聖職者(チャプレン)も多数活躍しています。彼らは望まれれば宗教上の教えを説くこともしますが、主として患者やその家族の心のケアを担っています。
吉田先生は、医療者は行使する技術に固執するだけではなく患者の怪我や病気が平癒するように、祈りを以て診療にあたることが必要であると述べられました。
骨端症の解説ではペルテス病やオスグッド・シュラッター病など骨軟骨変化が起きる箇所ごとの解説を行っていただきました。実際にベルトを使用した即席のシュナイダー装具の実演では、起立して見学する受講生の姿が見られました。
レントゲン写真による解説の中で吉田先生は、捻挫や骨軟骨損傷などに対し適切な整復を行わなかった場合、その後引き起こされる経年性障害の重症度が異なるとも仰っていました。
東 良彦先生(日本構造医学研究所)の講義では上位頸椎の不定愁訴について取り上げていただきました。
実際にX-P写真を用いた環椎、軸椎、第3頸椎から表皮までの距離の比較では、左右差を含めすべて数値が異なっており、東先生は非観血処置だからこそ、表皮から深層の筋肉まで把握する必要があると述べられていました。
また先生にはTISとDCRを用いた頚部整復の実演も行っていただきました。患者の開口によって狙っている部位にアプローチしやすくなるとアドバイスされると、受講生もそれぞれア・エの開口による頚部の動きを確認する姿が見られました。
林田 一志先生(一財 構医研究機構)には構造医学を学ぶ強みと、モチベーションについてお話ししていただきました。先生は病気やケガといったといった顕性の外因だけでなく、素因や習慣、加齢などのいずれ傷病となる非顕性の内因まで治療できることは構造医学の強みであると仰られると、深く頷く受講生の姿が見られました。
また臨床には波があるというお話では、ご自身が開業してから今日までの充足感の変遷グラフを示され、定期的に自分の強みや弱み、立ち位置、価値観を確認して診療にあたることが必要であると話されました。
今年度から構造医学認定助教として講義を行っていただく川内野 良蔵先生には皮膚について、自閉症介助犬や猫の毛づくろいなどの皮膚に触れることで気持ちを落ち着かせるという不思議な現象に始まり、人体の皮膚の解剖学的な解説、そして境界層理論へ発展していきました。
さらに僧帽筋や腓腹筋テープの貼付について、診療の流れや患者への貼り方についての紹介では、患者の貼付物への嫌悪感や出血の有無、皮膚の強さなどの注意事項と共に、現場での判断を大事に診療することが大切であると結ばれました。
構医認定のための課題をご希望の方で、会場でお渡しできなかった方には課題を郵送しています。(名簿にお名前を記載していただいた方のみ)
到着までもうしばらくお待ちください。
初講を欠席された方への講座DVDまたはブルーレイのご案内もハガキで送付しております。購入をご希望の方はハガキ記載の方法に従ってお申し込みください。
次回の基幹技能編は4月18~19日(土・日)に、くまもと県民交流会館パレアにて開催予定です。
〇医療系国家資格者であること
(特別審査枠として、学識経験者ならびに永らく医療周辺で活動されてきた高単位取得者)
〇構造医学正規講座または日本構造医学会にて120単位以上を取得していること
〇構造医学正規講座にて履修歴が最低3年以上であること