四半世紀前の思い出

2020/02/04

令和二年も二十四節気の節分を過ぎ、また一年の無病息災を願い漸進いたしております。そして昭和・平成・令和と時代を超え、構造医学が40周年の記念すべき年を迎えることとなりましたことを心よりお慶び申し上げます。また、これまで構造医学に携わってこられました皆々様に感謝申し上げます。

わたくしが初めて吉田先生にお会いしたのは四半世紀前のことです。
その頃、構造医学研究財団は設立前で日本構造医学研究所に勤めることになった時でした。
しばらくして15周年記念式典が熊本で盛大に開催され、教書に名のある先生方や多くの同門の諸先生がお祝いにご来熊いただきました。20周年、25周年と記念式典はございましたが、「構造医学」を何も知らず何も解らず迎えた15周年記念式典は只々てんてこ舞いの懐かしい思い出の1つでございます。

当時の研究所は、患者さんが地元の方だけでなく全国版で何百人も来院されており、わたくしは驚いている暇も無く必死にペンを走らせ手書きカルテを作っては診療につなげ目を回しておりました。(現代のように電子カルテというハイテクな機器は存在しない時代です)
その頃の吉田先生といえば、緊迫した診察室の中で真摯に患者さんと向き合い、診療後は研究所員の先生方と延々何時間も病態を解かれ、必要な患者さんに合わせた補助具を手作りされるライフワークを軽々と熟され更に講義とその他諸々の公務にも出向かれ人並み外れた熱い活動をしておられました。既に百万馬力全開です。
吉田先生との出会いは、まるで宇宙人との遭遇吉田先生は地球外生命体かも知れない!などと罰当たりなことを思っておりました。

待合室では、昔から来院されている患者さんが新患さんを見つけると構造医学の治療について熱弁されることがたまに有り、わたくしは受付で苦笑いしていました。
吉田先生に直接受診されていない方でも(熊本弁で)「吉田先生に声ば掛けて貰ったけん大丈夫、元気になったたい」など言われ、来た時より歩き方も軽やかに不思議と元気に帰られます。一瞬で心のエッセンスも満タンです。
無知なわたくしは、やっぱり吉田先生は宇宙人、宇宙と交信したの!!と思わずにはいられませんでした。
患者自身が治療を理解し自立しておられる方が多く具合が悪くても活気のある待合室、とにかく患者さんが元気になって帰っていかれます。
「ここは何か他の医療機関とは違うものがある!!」構造医学の理解を深めて行こうと心ひそかに決意したのもこの頃でございました。
まずは研究所員の諸先生や先輩に1つずつお聞きしながら。
その頃は吉田先生に直接お伺いを立てるなど恐れ多くてできませんでした。

熊本弁と言えば、吉田先生ご自身は普段から標準語を話され研究所員の先生方はほぼ県外出身者で、患者さんは他県からも来院されるので研究所内はできるだけ標準語を使うという決まりがございました。
しかし地元の患者さんが症状を訴える時にはベタベタの熊本弁で「あどン痛かー」「すじンはらかいとるけん痛かー」「打ったけン黒血ンよったたい」などなど???
熊本弁を知らない方にとっては宇宙語に聞こえるかも知れません。研究所員の先生方は方言にご苦労もあったかと存じます。
最近では、NHK大河ドラマや熊本県の営業部長くまモンが広がりを見せ熊本弁アピールを頑張っておりますが、その頃は地域に馴染むのが方言を早く覚える方法だったのではないでしょうか。

侘助

写真は「侘助」と申します。
初老の患者さんが「受付に飾って下さい」と侘助の切り花を戴いたのがきっかけで苗木を探し庭で四半世紀育てています。ちょうどこの季節が見ごろでございます。

40ぶんの四半世紀前の思い出も真鍮を当てては記憶を辿り写真を見ては懐かしみながら40周年に向けて進んでおります。
稚拙な文章をお読みいただきありがとうございました。
では、次回更新まで失礼いたします。

担当:熊本ラブ子


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